
糸を巻かれたブイブイが、青い空へと飛んでった。
ひいばあちゃんの大きな手が、ゴキブリをばちんとつぶす。
おおきなウシガエルが、首輪の縄をちぎって逃げる。
カゴの中の母カマキリは、こどもたちを平らげた。
「昼グモは殺したらアカンでー。ばち、あたる。」
記憶とはおもしろい。
「何か」にふれると、脈略もなく、ふっと、蘇ったりする。
蘇る記憶は、どんどんと溢れ出し、私に押し迫る。
その記憶は果たしてほんものか、それとも少しばかり、ぬりかえられたものか。 記憶の色彩は曖昧で、都合よく着色されている。
私の記憶は、そんな「何か」に、宿ってしまうのかもしれない。
湧き出る記憶たちと向き合い、その声に耳を傾ける。
記憶たちの声は、時に曖昧で、捉えどころがない。
それは、日々変化し、行き所がなく、定まらない私を反映しているのかもしれ ない。
本展示の作品は、「古民家」で蘇った、私の記憶である。
自分らしく存在できる場所をようやく見つけ、ひっそりと住み着いているかの ようだ。
” KA KU RE BA”
〜アタイがアタイであるために〜
2025.6. 27[金] ー7.21[月・祝]
金・土・日・祝日 開廊
10:00-12:00 13:00-17:00
キュレーター:アーティストself
アーティスト:ナオ・カワノ・フジイ
鑑賞料:500円/人
[後援] 北日本新聞社、FMとなみ、となみ衛星通信テレビ
アーティスト紹介
ナオ・カワノ・フジイ
兵庫県生まれ
幼少期よりカナダ、タイ、ドイツに滞在
ミュンヘン美術院、富山ガラス造形研究所 卒業
現在は富山を拠点に制作
主な個展に「FLASHBACK」「 Deformation」「 TRUE COLORS」Gallery HAM
関連事業
2025.7.5{土} 14:00-16:00
アーティストトーク