
キュレーション公募2025選定 展覧会
コンパスと遠近の囁き
2025.10. 24[金] ー11.16[日]
金・土・日曜日 開廊
10:00-12:00 13:00-17:00
キュレーター:保泉エリ
アーティスト:中根隆弥/羽室陽森/平井亨季/保泉エリ
観覧料:500円/人
関連事業
中根隆弥「ライブドローイング」
2025.11.1(土)・15:00〜15:30
平井亨季ワークショップ「触って作る映像」
2025.11.8(土)・13:00〜16:00
参加費別途:500円/人
↓Google formsより予約↓
https://forms.gle/BshSYoptCScQPk2P6
クロージングトーク
2025.11.16(日)・15:00〜17:00
司会進行:長谷川新(インディペンデントキュレーター)
『コンパスと遠近の囁き』
本展覧会タイトルにある「コンパス」は、測定器具としての意味だけでなく、ラテン語のcom(共に)とpassus(一歩)を語源とする「歩測」の概念を持ちます。次第にその意味は、「円、サイズ、広がり」「範囲、限界、境界」「音域」へと展開していきました。物理的な距離や境界の意味が変容する現代において、私たちは「測る」という行為の本質を問い直す必要があるのではないでしょうか。
砺波駅周辺と自然豊かなギャラリー無量周辺。富山県砺波市内にあるこの2つの場所を訪れたとき、目に映る風景や耳に届く音、その土地に漂う匂いの違いに気づかされます。そして、日本家屋の入り口を跨ぐギャラリー無量では、和と洋の空間が共存しています。同じ砺波の中でも、何を求め、何に導かれるかで得られる体験は変わっていくのです。そしてその体験は、いつの間にか砺波という範囲を越えて、別の土地や人々を繋いでいくでしょう。
本展では、4名の作家が各々のコンパスを使って砺波の土地を辿り、表現として開拓していきます。中根隆弥は、流木や古新聞など時間の蓄積した物質を用いて、ドローイングを描くための装置を制作し、人々が抱える不完全さを「生(なま)」と捉えながら、Drawing Machineと身体を通してその重要性を追求しています。羽室陽森は、石膏やブロンズ、石を用いたトラディショナルな人体彫刻を制作する一方で、自身の目にうつる物事と普遍的な物事との重なりについて着目した、ユニークな彫刻表現も行います。平井亨季はフィールドワークに基づくアニメーションと地図を組み合わせることで、自身の体験と文化地理学的視点から地誌を再解釈し、従来の歴史観・枠組みを読み替えます。そして、展示空間と生活空間を接続し、素材の人体と生身の人体の違いについて考える保泉エリは、砺波出身の彫刻家・永原廣(1905-1993)に着目し、時代を越えた対話を生み出します。
砺波の土地である本会場では、来場者それぞれの興味や直感に従って作品と出会うことができます。個と全体、自然と人為、過去と現在といった二項対立を越え、私たちと土地との結びつきについて共に考える場を展開します。
キュレーター
保泉 エリ
◉出展作家◉
中根 隆弥 (Ryuya NAKANE)
1996年山梨県出身、同県在住。2021年静岡大学教育学研究科学校教育研究専攻美術教育専修造形制作論分野修了。主な展示に『IAG AWARDS 2024 EXHIBITION 』「都市間提携」裏小樽モンパルナス特別賞・奨励賞 (東京芸術劇場/東京都/2024)、個展「Drawing Machine 生の体現ー 本能と生を感じる展覧会」(静岡市文化・クリエイティブ産業振興センター/静岡県/2024)、「トビチ美術館 2023 偶然、ここで。展」(旧安藤精麦/長野県/2023)。
羽室 陽森 (Yoshin HAMURO)
1994年千葉県出身、茨城県在住。筑波大学大学院博士後期課程芸術学学位プログラム在籍。主な展示に、個展「みちくさ」(ギャラリー青羅/東京都/2024)、「第73回千葉県美術展覧会」県展賞(千葉県立美術館/千葉県/2024)、「たとえば、みたいな、かんじで。」(ギャラリイK/東京都/2024)、「余熱と余韻 羽室陽森×矢野晋次」(GALERIE SOL/東京都/2023)、「第51回日彫展」新人賞(東京都美術館/東京都/2022)。
平井 亨季 (Koki HIRAI)
1996年広島県出身、茨城県在住。2021年東京藝術大学大学院映像研究科メディア映像専攻修了。主な展示に「小諸アーティストインレジデンス成果展Komoro Mori More2024」(長野県/2024)、「Hiroshima MoCA FIVE 23/24」特別審査員賞・広島市現代美術館賞(広島市現代美術館/広島県/2024)、『「Artists in FAS 2022」入選アーティストによる成果発表展 』入選(藤沢市アートスペース/神奈川県/2023)。
保泉 エリ(Eri HOZUMI)
1996年広島県出身、東京都在住。筑波大学大学院博士後期課程芸術学学位プログラム在籍。主な展示に「眼差しを移す」(加納実紀代資料室サゴリ/広島県/2025)、個展「プライベートパブリック」(callbox/東京都/2025)、「Hiroshima MoCA FIVE 23/24」入選(広島市現代美術館/広島県/2024)、「たとえば、みたいな、かんじで。」(ギャラリイK/東京都/2024)、個展「彫刻の在処」(小金井アートスポットシャトー2F/東京都/2022)。
◉会期◉
10月24日(金)〜11月16日(日)
金・土・日のみ
10時〜12時/13時〜17時
◉会場◉
ギャラリー無量(富山県砺波市庄川町示野233)
鑑賞料500円
◉お問い合わせ◉
0763-82-2214(ギャラリー無量)
erihozumisculptor@gmail.com(保泉エリ)
◉イベント◉
①中根隆弥「ライブドローイング」
開催日時:11月1日(土)15:00〜15:30・雨天決行
会場に設置されたDrawing Machineを用いてパフォーマンスを行います。
②平井亨季ワークショップ「触って作る映像」
開催日時:11月8日(土)13:00〜16:00
参加費:500円(別途鑑賞料が必要です)
先着5名
コマ撮りを活用したアニメーションを作るワークショップです。
↓Google formsより予約↓
https://forms.gle/BshSYoptCScQPk2P6
③クロージングトーク
開催日時:11月16日(日)15:00〜17:00
司会進行:長谷川 新(インディペンデントキュレーター)
参加者:中根隆弥・羽室陽森・平井亨季・保泉エリ