A STEP AWAY FROM THEM

      一歩離れて

 

2021.10.??[金] ー 10.??[日]金・土・日・祝のみ開廊

​キュレーター :松江李穂 

参加アーティスト

        ・ 渋谷剛史 

        ・ 高橋 銑 

        ・ 松元 悠

        ・ 三枝 愛 

 本展覧会「A Step Away From Them 一歩離れて」は、コロナウイルスの感染拡大防止のために開催を来年へ延期することにいたしました。

 

「A Step Away From Them 一歩離れて」

・会期   :2021年10月頃予定

・参加作家 :渋谷剛史、高橋銑、松元悠、三枝愛

 

 本展覧会の「A Step Away From Them」というタイトルは、アメリカ冷戦時代の詩人でありながら、ニューヨークのMoMAで働くキュレーターでもあったフランク・オハラの詩のタイトルから引用しています。1956年に執筆されたこの詩では、ランチタイムに昼食を取るためニューヨークの街へと繰り出したオハラが見かけた様々な人や街の様子が連続的に描かれていきます。そして詩の後半では身近な友人達の死が一瞬だけ想起され、最後にまたMoMAに帰ってくる、そんな彼の1日の出来事が綴られた詩です。

 タイトルの「A Step Away From Them」の「Them(彼ら)」は彼が見かける人々や街を指し、「 A Step Away From (一歩離れて)」という行為は、感傷的になることなく淡々と眺めていく、文字通り街の喧騒から一歩身を引いたオハラの観察者的な態度を意味しています。しかし同時に、「彼ら」とは詩の後半に一瞬想起される友人達=死者も指しており、「一歩離れている」ということは、「死」や「過去」という存在に対して、ほんの一歩しか離れていない、けれども確実に一歩離れている、という彼の状況や考えを示してもいるのです*1。

 さて、今日の私たちはコロナウイルスが蔓延した世界の中で、身近で起こる出来事、そして「死」や「過去」に対してどのような態度で向き合っていけるでしょうか。オハラのように街を自由に徘徊することは難しい時勢ですが、むしろ人や物事と少しだけ距離が存在するからこそ見えること、考えられることもあるはずです。

 

 展覧会の準備を行うにあたり、参加作家との大半の打ち合わせはオンラインへとシフトしました。直接会う機会が減った今、私たちはそれぞれ離れた場所から「回覧雑記」と名付けた、レターパックを用いてテキスト等を回し合うやりとりを行うことにしました。私たちの距離はそのままにそれぞれの時間や言葉を重ねていくため、一年間延期してしまう展覧会をつなぐ頼り/便りとして継続していくつもりです。(最終的に何らかの形で公開を検討中)

 

 

今後の展覧会の予定や詳細については、決定次第引き続きHPに掲載していく予定です。

 

 

*1ー 飯野友幸『フランク・オハラ 冷戦初期の詩人の芸術』(水声社,2018年)参照

​(キュレーター :松江李穂 2020/9/29)

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