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一歩離れて  /

A STEP AWAY FROM THEM

      

2021.10.2[土] ー 10.25[月]

10:00 - 18:00​ (土・日・月のみ開廊)

※コロナウイルス感染拡大防止のため予約制

Artists

渋谷 剛史 髙橋 銑 松元 悠 三枝 愛

Curator

​松江 李穂

Graphic Designer

​湯田 冴

Installer

​𡈽方 大

Supported by

Gallery 無量 /  LEESAYA Gallery  / 一般社団法人HAPS / 禹歩
 

     

 本展覧会タイトル「一歩離れて / A STEP AWAY FROM THEM」は、冷戦時代のアメリカの詩人フランク・オハラ(1926-1966)が1956年に書いた同名の詩のタイトルから引用している。この詩の中では、MoMAのアシスタント・キュレーターでもあったオハラが昼食をとるためにニューヨークの街中へと繰り出し、束の間の遊歩の時間、職場に戻ってくるまでに見かけた人やもの、出来事の取り留めのない様子が、タイトル通り一歩離れた距離から連続的に記述されている。

 本展ではこの詩を一つの起点として、歴史の歩みに対する、個別的かつ私的な歩みに注目する。出展作家4名は、それぞれの個人的な経験に基づいて、過去、現在そして未来という時間制の中にある、残ってきたもの、残すこと、残らないことについて考えを巡らせながら作品制作を行っている。

 柔道の武道型を用いた映像作品を制作してきた渋谷剛史は、自身の曾祖父が関わったというダム建設を巡るしがらみや、難聴者だった祖父の過去へと渋谷自身に深く関わってきた柔道や補聴器を媒介にして歩み寄ろうとする。

 三枝愛は、東日本大震災によって起こった椎茸農家を営む実家の庭の変化を契機に、ものや人との間の時間を越えた物語や関係の修復と延命の手立てを模索し続けてきた。本展では、関東大震災時に起こった事件や富山県を発端とした米騒動と自身をトレースすることで、大道のような歴史の中に、交差点やわき道を見出そうとする。

 また、実際に起こった事件や出来事をモチーフにリトグラフ作品の制作を行う松元悠は、フィクションや想像を挟みながら松元の姿で当事者像を描く。マスメディアに翻弄されることへの自己批判的な態度でありながらも、彼女はいとも簡単に消費され、忘却される他者について語る方法を模索する。

 髙橋銑は、自己のアイデンティティに関係する身近な存在を探りながら、如何にして私的な問題を世界の問題に置き換えられるのかを観照してきた。本展では、飼い犬との行く末にいずれ訪れる死別に備えた、手放すための装置を想像し、離れることと残ることとの関係性を問う。

 以上のような彼/彼女らが制作に向き合う態度は、歩くことに重ねて例えるならば「歩き方」のようなものだ。本展覧会が、些細なものを振るい落として進んでゆく歴史や、高速で移り変わっていく世界そのものに対して一歩距離を置きながら、それぞれの速度と方法で向き合い歩んでゆく、彼/彼女らの実践的な態度を見つめる機会となればと願う。

 

2021.9.18 キュレーター:松江 李穂

 

 

ARTISTS

 

渋谷 剛史 Takefumi Shibuya

1994 山形県生まれ
2016 倉敷芸術科学大学 芸術学部美術工芸科 卒業
2018 東北芸術工科大学大学院 芸術文化専攻芸術総合研究領域 修了

主な個展
2020 「刻まれた裏物語」(オルタナティブスペースHESO / 山形)
2018 「美術のかわいがり稽古」(Galvanize gallery / 宮城)
2018 「汚された青い柔道着」(中央本線画廊 / 東京)

主なグループ展
2021 「OKIMIYAGE」(オルタナティブスペースHESO / 山形)
2019 「Reborn–Art Festival2019」 市街地エリア(柏屋ビル2階 / 宮城)
2019 「山形藝術界隈十一 オールスター展」(Galvanize gallery / 宮城)
2018 「山形ビエンナーレ2018 山のような100ものがたり」(東北芸術工科大学 / 山形)

主なパフォーマンス等
2019 「体育会系を無形遺産にする」(中央本線画廊 / 東京)

 

髙橋 銑 Sen Takahashi

1992 東京都生まれ
2021 東京藝術大学大学院 美術研究科彫刻専攻 修了

主な個展
2021 「CAST AND ROT」(LEESAYA / 東京)
2020 「二羽のウサギ / Between two stools」(The 5th Floor / 東京)
           「You Also Have The Backbone」(芸宿 / 石川)

主なグループ展
2021 「ストレンジャーによろしく」(金沢市内 石黒ビル / 石川)
           「破線と輪郭」(ART DRUG CENTER / 宮城)
     「damp plosive roam」(mcg21xoxo / 千葉)
2020 「Sustainable Sculpture」(駒込倉庫 / 東京)
     「In a Grove」(LEESAYA / 東京)

           「余白 / Marginalia」(SNOW contemporary / 東京) 

2019 「2019金沢彫刻祭」(石引アートベース / 石川)

           「Tokunsteralem」(ミュンスター芸術大学 / ドイツ)

         「生きられた庭」(京都府立植物園 / 京都)

受賞歴

2019     平山郁夫文化芸術賞

2015     藝大アーツイン丸の内2015 優秀賞

松元 悠 Haruka Matsumoto

1993 京都府生まれ
2015 京都精華大学 芸術学部メディア造形学科版画コース 卒業
2018 京都市立芸術大学大学院 美術研究科絵画専攻版画 修了

主な個展
2021 「架空の竜にのって海をこえて幻の島へ」( kara-S ギャラリー / 京都)
2020 「独活の因縁|The Fate of an Udo」(Medel Gallery Shu / 東京)
2019 「活蟹に蓋」(三菱一号館美術館/東京)「血石と蜘蛛」 (YEBISU ART LABO  / 愛知)
2018 「カオラマ」(京都芸術センター南・北 / 京都)

主なグループ展
2021  「群馬青年ビエンナーレ 2021」(群馬県立現代美術館 / 群馬)
          「魂の影 Tracing the soul」(プライベイト / 東京)
    「波止場 vol.18 ペーパー & ショップのノート & ショップ」(波止場 / 愛知)
2020  「ALLNIGHT HAPS 2020 Probable Cause」( HAPS オフィス1F  / 京都)
      「日日の観察者」( HOTEL ANTEROOM KYOTO l Gallery 9.5  / 京都)
          「HER/HISTORY」(岸和田市立自泉会館 / 大阪)
        「Kyoto Art For Tomorrow 2020―京都府新鋭選抜展―」(京都文化博物館 / 京都)

 

 

 

 

 

 


 

三枝 愛 Ai Mieda

1991 埼玉県生まれ
2018 東京藝術大学大学院 美術研究科油画専攻 修了

主な個展
2020 「木の日 - 树节」(ホホホ座浄土寺店1階奥ギャラリー / 京都)
2017 「石が残っている / Will is left」 (小金井アートスポットシャトー2F / 東京)
2016 「庭とアパラチア」 (Gallery Valeur / 愛知)

グループ展
2021 「沈黙のカテゴリー」(クリエイティブセンター大阪 [名村造船所跡地] / 大阪)
       「ab-sence/ac-ceptance 不在の観測」(岐阜県立美術館 展示室2 / 岐阜)
2020 「鮭」(アキバタマビ21 / 東京)
     「GURA STUDIO/GALLERY OPENING EXHIBITION」

    (GURA STUDIO/GALLERY / 京都)
2018 「アートプロジェクト高崎2018」(高崎シティギャラリー、市内各所 / 群馬)
           「松栄ハイツについて」(帯屋捨松元社員寮 松栄ハイツ / 京都)
           「それぞれのリアル」(あまらぶアートラボ A-Lab / 兵庫)
           「新鋭アーティスト発信プロジェクA-Lab Artist Gate 2018」

    (あまらぶアートラボ A-Lab / 兵庫)

受賞歴

2017 「清流の国ぎふ芸術祭 Art Aword IN THE CUBE 2017」O JUN賞受賞

2017 「群馬青年ビエンナーレ2017」群馬の森野外展示作品賞受賞

CURATOR

松江李穂 Riho Matsue

1994 青森県生まれ
2019 金沢美術工芸大学 美術工芸学部芸術学専攻 卒業
2020 東京藝術大学大学院 国際芸術創造研究科アートプロデュース専攻キュレーション領域 入学
2021 埼玉県立近代美術館 臨時的任用学芸員として勤務

主な展覧会企画
2021 「Welcome, Stranger, to This Place」共同企画(東京藝術大学構内 陳列館 / 東京)
2017  岡本孝介・今尾拓真二人展「so close, yet so far」(芸宿 / 石川)

 

​卒業論文​

​2019 「ハラルト・ゼーマン  キュレーター / 展覧会制作者としての思考と実践」
 

 

 


 


 

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[松元]せっけんと深呼吸(マキノ町)|リトグラフ、BFK紙|650×550㎜|2020.jpg
[松元]作品(粟島)|リトグラフ、BFK紙|650×550㎜|2020.jpg

《Cast and Rot》2019 , ニンジン, 木, ステンレス, ワックス

《払腰》2021, 映像 6分2秒 

「山形ビエンナーレ2018 山のような 100ものがたり」

東北芸術工科大学洋画棟木工室 でのインスタレーション

《二羽のウサギ》2020  Photo by Jukan Tateisi

《せっけんと深呼吸(マキノ町)》2020. リトグラフ, BFK紙

「木の日 - 树节」 会場風景 (撮影:溝縁真子)

《作品(粟島)》2020, リトグラフ, BFK紙

「GURA STUDIO/GALLERY OPENING EXHIBITION」

​ 《庭のほつれ》会場風景

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