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骨踊り肉にて唄う

池田愛花里 個展

 

2023.7. 1{土} ー7.24{月} 

土・日・月曜日 開廊

​キュレーター:アーティストself​

関連事業

2023.7. 8{土}15:00ー17:00

・対談

平田昌輝(富山大学芸術文化学部講師)

​鑑賞料 500円/人

展示概要

「実家に大きく暗い納屋があった。米を育てていたこともあり、農機具が置かれていた納屋にはねずみがよく出た。

幼いある日、そこでねずみ取りにかかったねずみを見つけ、濁った瞳や黒くなって落ち窪んだ横腹、

何か他の生き物に噛られたような足や、死体にたかる虫を見て、弔われない肉はこんなに寂しく死んでいくのかと思った。

しばらくの間、私はねずみに会うために納屋に通った。」

本展覧会では、腐敗から新たな生命への循環の様子を油絵やインスタレーションとして構成します。

そこで九相図から着想を得た表現で腐りゆく命の特徴を捉えたいと考えました。

九相図とは、死んだ女性が腐敗し白骨化するまでの様子を描くことで、仏僧の煩悩滅却や無常観を学ぶことを目的とした仏教絵画です。

腐敗の様子を九つの段階に分けて捉えており、肉が腐って骨が見え始め、虫が湧き獣は肉を貪ります。

腐っていく死体の周囲を彩るモチーフにも意味があり、シチュエーションを細かく設定している作品も存在します。

現代を生きる私にとって身近であり、よく観察できる対象が死んで腐ったネズミやカビの生えたりんご、嫌なにおいのする昨日のごはんです。

身近なところに私たちの九相図は存在しています。私の世界に存在する腐敗で私は命を描きたいのです。

腐敗の世界には消えゆくいのちと、これから誕生していくいのちが共存しています。

私は普段から腐りゆく存在を通して、大きな流れに逆らえない無力感を抱きながら

希望を求める自己の内面世界を描いています。

腐りゆく様子を不浄のものとして捉えるのではなく、目を背けたくなるような醜さの中にある

光を見つけ、怒りや悲しみに隠れる望みを描きたいと思います。

滅びゆく道の先にも楽園はあると信じて。

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